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何が悪いの?遺伝子組み換え食品(GMO)の危険性5選

遺伝子組み換え食品
悩んでいる人

遺伝子組み換え食品(GMO)は食べない方がいいって聞くけど、何が悪いのかよく分からない。今さら聞きずらいし誰か教えて!

このような疑問にお応えします。

✔本記事の内容

遺伝子組み換え食品(GMO)の危険性5選

遺伝子組み換え食品ってなんとなく怖いイメージがありますよね。

遺伝子をいじってるなんて不自然。絶対に体に悪そう!

GMOを食べたラットが子供を産めなくなったって聞いた!怖すぎる・・・

ネットからも色んな声が聞こえてきます。

でも、GMO事業に力を入れているマイクロソフトのビル・ゲイツ氏は、このように主張しています。

ビル

GMOは最高。農薬の使用量は減るのに収穫量は増えるし、ビタミンを添加すれば栄養失調を減らすことだって出来るんだ。

実際にゲイツ氏は、GMOでアフリカの貧困と食糧難を解消するプロジェクトを立ち上げています。

確かに産業としてはこれからも大きくなっていきそうなGMOですが、体への害はないんでしょうか?

そこで今日は、「遺伝子組み換え食品の危険性」というテーマでお話ししていきます。

Contents

遺伝子組み換え食品(GMO)の危険性5選

  1. 動物実験で生殖機能障害や発育不全が観察されている
  2. GMO農家でアレルギーが増加している
  3. 地球規模の環境破壊につながる恐れがある
  4. 植物の種が企業に独占される可能性がある
  5. アフリカの食糧難は改善されていない

上記の5点を解説していきます。

動物実験で生殖機能障害や発育不全が観察されている

ラットなどを使った動物実験では、遺伝子組み換え食品の様々な健康への害が観察されています。

・不妊
・免疫障害
・老化の加速
・インスリンの制御不全
・消化器官への害
・肝機能障害、など

特に生殖機能障害については、かなり昔から危険性が叫ばれています。

例えば、遺伝子組み換え大豆を食べたラットの母親から生まれた子供は、体が小さく生後3週間の死亡率が50%以上にも達しました(遺伝子組み換え大豆を食べなかった母親から生まれた子供の死亡率は約10%)(1)。

また、GM大豆を食べた雄のラットでは、精巣の変形や精子細胞の異変が現れたとの報告もあります(2)(3)。

GMOを食べるだけで死亡した例もある

インドでは2006年に遺伝子組み換え綿花の収穫後、地面に落ちたGM綿花を食べた周辺の羊などが千頭以上死亡したという報告があります(4)。

GMO作物農家でアレルギーが増加している

インドの遺伝子組み換えの綿花畑で働く労働者の間で、肌のかゆみ、蕁麻疹、涙目、まぶたの腫れ、くしゃみ、鼻水、息苦しさなどのアレルギー症状を訴える人が続出しました(5)。

地球規模の環境破壊につながる

GMOは人工的に遺伝子を組み替えることによって、ラウンドアップなどの強力な除草剤(農薬)をふりかけても枯れないようにデザインされています。

これだけ聞くと、とても便利な作物のように聞こえますが、様々な害があります。

GMOによる環境へのダメージ
  • アメリカでは農薬の使用量が以前の15倍に増えた(6)
  • 普通の農薬に耐性を持つ「スーパーウィード」「スーバーバグ」が登場
  • GMO以外の作物が絶滅する可能性も

GMOの登場以来普通の農薬に耐性を持つ雑草や虫が増え、その結果農薬の使用量が増え、土壌汚染が加速しています。

スーパーウィードの中には、ベトナム戦争で散布され先天性欠損症の原因になった枯葉剤(2,4-D)のような猛毒でしか枯れないものも登場しているようです。

また、GM作物が非GM作物と交配することで、いずれ既存の作物は絶滅してしまうのではないかという懸念もあります。

植物の種が企業に独占される可能性がある

遺伝子組み換え食物の種は特許付きの商品なので、農家や個人が「収穫された種を取っておいて来年植える」ということは特許違反になり出来ません。

アメリカでは、誰かからもらったGM作物の種を勝手に栽培することも違反になり、見つかれば訴えられる可能性もあります。

将来的に、「食物の種」という人類の存続に必要不可欠なものが、GM作物の種を製造するバイエルなどの巨大バイオ化学メーカーに独占されてしまうと、安全な食料の供給さえ危うくなる可能性があります。

アフリカの食糧難は改善されていない

ビル・ゲイツ氏が主な出資者となり、2006年にアフリカでAGRAという組織を立ち上げて始まった「グリーンレボリューション」プロジェクトでは、当初生産性と貧困層の給料の倍増を目標に掲げていました。

しかし、1000億円以上を投下し、14年経った現在でも目標は達成されておらず、ついにその目標自体もAGRAのサイトから消えています。

また、キャンペーン中にアフリカの13の国で栄養失調者の数が30%も増加したとの報告もあり、「GMOでは食糧難も貧困も改善されなかった」との声が聞かれます(7)。

もっとGMOについて学びたい時におすすめの映像作品と本

さて、ここまで遺伝子組み換え食品の主な危険性についてお話してきました。

この分野は、ビル・ゲイツ氏のようなGMO技術推しの資産家が大金を投下して、GMOに好意的な研究を次から次へと発表するので、中々正しい情報にたどり着けないのが難しいところです。

最後はやはり、消費者である私たち自身で「食べるか・食べないか」を判断することになると思うので、もっと情報を収集したい方のために、GMO関連の映像作品と本を紹介します。

パパ、遺伝子組み換えってなあに?(2015)

小さい子供を持つお父さん目線で語られる、毎日の食事に潜む遺伝子組み換えの真実を描いたドキュメンタリー映画です。

第63回ベルリン国際映画祭にも出品された作品で、私も公開と同時に視聴しました。

話は主人公である「パパ」が色んな専門家をインタビューする形で進み、初心者でも最後まで見やすい作品になっています。

DVDの販売もありますが、Amazonプライムビデオの30日間無料体験を使えば、タダで見ることが出来ます。

遺伝子組み換えルーレット(2012)

遺伝子組み換え問題の専門家として国際的に著名なジェフリー・M・スミス氏によって製作されたドキュメンタリーで、公開当時はアメリカでも話題になりました。

医療関係者、研究者、獣医などの専門家による証言やエビデンスが詰まった作品になっています。

日本語字幕付きDVDの購入は、アジア太平洋資料センターのサイトから出来ます。

売り渡される食の安全 (2019)

角川新書から出版された、山田正彦さんの書籍です。

遺伝子組み換えだけでなく、ゲノム編集など気になる現代の食の安全について、政治家として長く日本の農業政策を見てきた立場から解説されています。

GMOの安全性だけでなく、種子法廃止の裏側にある政府や巨大企業の思惑にも興味がある人におすすめです。

新書(紙)の本もありますが、Kindle版の方がいつでも読み返せるので便利です。

遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実(2016)

米食品医薬品局(FDA)と訴訟を起こした弁護士のスティーブン・M・ドルーカー著の書籍です。

「訴訟の際にFDAが裁判所に提出せざるをえなかった遺伝子組み換え関連のファイル」、そして「そこから暴かれる、FDAと著名な科学者グループによる国民に対する裏切り・・・」

ちょっとショッキングな語り口ですが、米国Amazonでは、350件のレビューで評価が4.7と、支持率のとても高い人気作品になっています。

単行本(紙)Kindle版があります。700ページ以上ある分厚い本ですのでご注意ください。

参照

  1. I.V. Ermakova, “Diet with the Soya Modified by Gene EPSPS CP4 Leads to Anxiety and Aggression in Rats,” 14th European Congress of Psychiatry. Nice, France, March 4-8, 2006; “Genetically modified soy affects posterity: Results of Russian scientists’ studies,” REGNUM, October 12, 2005; ; Irina Ermakova, “Genetically modified soy leads to the decrease of weight and high mortality of rat pups of the first generation. Preliminary studies,” Ecosinform 1 (2006): 4–9.
  2.  Irina Ermakova, “Experimental Evidence of GMO Hazards,” Presentation at Scientists for a GM Free Europe, EU Parliament, Brussels, June 12, 2007
  3. L. Vecchio et al, “Ultrastructural Analysis of Testes from Mice Fed on Genetically Modified Soybean,” European Journal of Histochemistry 48, no. 4 (Oct–Dec 2004):449–454
  4. “Mortality in Sheep Flocks after Grazing on Bt Cotton Fields – Warangal District, Andhra Pradesh” Report of the Preliminary Assessment, April 2006, http://gmwatch.org/latest-listing/1-news-items/6416-mortality-in-sheep-flocks-after-grazing-on-bt-cotton-fields-warangal-district-andhra-pradesh-2942006
  5. “Bt cotton causing allergic reaction in MP; cattle dead,” Bhopal, Nov. 23, 2005
  6. Kustin, Mary Ellen. “Glyphosate Is Spreading Like a Cancer Across the U.S.” EWG. Environmental Working Group, 07 Apr. 2015. Web.
  7. Institute of Agriculture & Trade Policy: Failing Africa’s farmers: New report shows Africa’s Green Revolution is “failing on its own terms”