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なぜスティーブ・ジョブズは死んだのか

りんご

iPhoneやMacで有名な、Apple社の創設者、スティーブ・ジョブズ。はやくも、亡くなってから8年の年月が流れていますが、今でもよく名前を耳にしますよね?

もし「ジョブズが生きていたら・・・」と、惜しむ声は、いまだに多いと思います。

ところで、彼の死については、「手術を拒否していた」や「代替療法やスピリチュアルトレーニングに頼っていた」など、色々なうわさがありますよね?

実は、この件について、アメリカのベジタリアン・ヴィーガンコミュニティーでは、 彼の死の直後から、色んな憶測が飛び交い、一時期は、かなりの「ホットトッピック」になっていました。

そこで今日は、スティーブ・ジョブズ氏の最期について、お話ししたいと思います。

Contents

ジョブズの死

ジョブズは、2003の10月に膵臓(すいぞう)がんの告知を受けました。

膵臓がんは、数あるがんの中でも、特に「荒々しい」性質を持っており、生存率が低いことで有名です。

アメリカがん協会(American Cancer Society)によれば、膵臓がん患者の、1年目の生存率は20%、5年目の生存率はわずか9%ほどです。

膵臓がんにも2種類あり、ジョブズが患っていたのは、早期発見の場合、手術で治せる可能性も高いと言われる、稀なタイプ(全体の5%)の膵臓がんでした。

しかし、元々、手術や現代西洋医学に抵抗のあったジョブズは、9ヶ月間にわたり、手術を拒否し続けました。

この間、食事療法、断食、スピリチュアルトレーニングなどの、代替医療や民間療法を用い、自分自身で、がんを治癒しようとしていたそうです。

最終的には、2004年の7月に、がん細胞摘出手術を受けたました。けれど、この時には、がんが肝臓にも広がっていたため、結果的には、肝臓と小腸の一部、胆嚢も完全に取り除く、大手術となりました。

2009年の4月には、肝臓の臓器移植を受けていますが、この移植の理由は公開されていません。「がんが肝臓に転移していたから」という考えが有力ですが、これについては疑問を抱く専門家もいるようです。

肝臓移植から、2年半後の、2011年10月5日。がんの再発などによる健康の悪化で、呼吸停止し、スティーブ・ジョブズは、帰らぬ人となりました。

ジョブズの食生活

スティーブ・ジョブズは、学生時代からベジタリアンでした。

ビジネスインサイダー(米国の ビジネス・技術ニュース専門ウェブサイト)がまとめた、ジョブズが影響を受けたとされる14冊の本(「14 books Steve Jobs always turned to for inspiration」)の中にも、2冊、ベジタリアン関連の書籍が選ばれています。

彼が学生時代を過ごした、1960年代~1970年代、彼の住むアメリカ西海岸では、ヒッピー文化が最盛期を迎えていました。

ヒッピーには、既存の肉食社会に反発し、身体的、そして精神的な健康のために、ベジタリアンやヴィーガン(乳製品や卵も食べない完全菜食主義者)になる人が、たくさんいました。

ですので、ジョブズがベジタリアンになったのも、自然の流れだったのかもしれません。

ちなみに、先に述べた、「ジョブズが影響をうけた14冊の本」のうち、8冊は、精神や魂の平穏、救済など、スピリチュアリティについて書かれた本でした。

ヒッピーには、キリスト教などの主流宗教の教えに反発し、仏教、ヒンズー教、または瞑想などを通して、精神的な救済を求めるという傾向もありました。

この点においても、ジョブズがヒッピー文化に深く影響されていたことは、間違いないでしょう。

ところで、ジョブズは、ベジタリアンの中でも、フルーツを中心に食べる、「フルータリアン」だったことでも有名です。

彼の会社が「アップル」という名前になったのも、彼がフルーツをよく食べていたから、という説が有力だと言われています。

また、2000年代からは、「ローフード」(生の野菜や果物だけを食べる)を中心とする、ベジタリアンブームが、再び、アメリカ西海岸で巻き起こりました。

このブームの火付け役の1人となったのが、実業家のデイビッド・ウルフです。彼が、まだ駆け出しの、90年代後半当時、自宅で印刷し配布していた、ローフードについて書かれたニュースレターがありました。

スティーブ・ジョブズは、これを購読していたことでも、知られています。

ベジタリアン食が死因?

スティーブ・ジョブ氏が亡くなったのは、過激なベジタリアン食が原因ではないか、といううわさがあります。

確かに、ジョブズは、いつもは、魚などを食べることもあったと言われていますが、病気になった時などは、完全菜食にこだわる傾向があったようです。

ジョン・マクドゥーガル医師の考え

北カリフォルニアに本拠地を置く、ジョン・マクドゥーガル医師(Dr. John A. McDougall)は、主に、いも、トウモロコシ、小麦などの、「スターチ類」を食べる食事療法を用いた、健康改善プログラムで有名です。アメリカ人の肥満人口減少にも、力を入れているお医者さんです。

彼が、2012年のセミナーで、スティーブ・ジョブズの死因について、詳しく分析したものを発表しています。ここからお話しする内容は、公式サイトにのっているセミナー動画の内容を要約したものになります。

スティーブ・ジョブズは、がん発見後、すぐに手術をしなかったことで、亡くなった後も、各方面から「バッシング」ともいえる批判を受けていますよね。本人も、それを死ぬまで後悔していた、という話があります。

しかし、マクドゥーガル医師によれば、彼は出来ることはすべてやっていたので、後悔をする必要は全くなかった、とのことでした。

私もマクドゥーガル医師の本を読んだことがありますし、ブログを読んだり、動画を見たこともあります。

彼は、「必ずしもヴィーガン食がみんなに良いわけではない」としつつも、彼自身がヴィーガンであるため、多少ヴィーガン食に好意的な目線で語る傾向にあります。

がんが出来たのは24歳の時

ジョブズが、がん宣告を受けたのは彼が48歳の時です。

しかし、マクドゥーガル医師は、ジョブズのがんの拡大速度を計算し、そこから逆算して、最初のがん細胞が出来たのが、ジョブズが24歳の時、がんが他の臓器に広がり始めたのが、27歳の時だと推測しています。

がん発症のキッカケとしては、ジョブズが若いころにシリコンバレーで働いていた時、多量の発がん性物質を浴びたことが、引き金になった可能性が高いとしています。

2011年に出版された、ジョブズの伝記『スティーブ・ジョブズ』(ウォルター・アイザックソン著)の中には、彼の健康に関するヒントもたくさん書かれています。

この中に、ジョブズが運転中に腎結石になり、そのまま病院に駆け込んだというエピソードがあります。

ジョブズは、がん発覚の5年ほど前から、腹痛や腰痛に悩まされていたそうですが、医師からは、「腎臓と尿管の不調からくる腎結石関連の痛み」だと言われていたそうです。

しかし、マクドゥーガル医師によれば、これはジョブズを診た医師の誤診である可能性が高く、これらの症状は、膵臓がんの初期症状であるとしています。

そもそも、ジョブズが、がん発見につながった2003年のCTスキャンを受けることになったのも、「そろそろ、もう一度腎臓と尿道をチェックした方が良い」と、彼の泌尿器科の先生に言われたからだそうです。

そして、そのCTスキャンの結果はというと、患っているはずの腎臓には全く問題がないけれど、膵臓に小さな影があるというものでした。

マクドゥーガル医師の結論

マクドゥーガル医師は、スティーブ・ジョブズが、膵臓がん宣告後8年間も生きられたことや、がんの進行スピードを抑えられたのは、彼の動物性食品を食べない食生活が、大きく関係していると考えています。

そして、ジョブズと同じ時期にシリコンバレーで一緒に働き、不健康な食事をしてきた人たちが、がんにかからず、ジョブズだけががんになった理由としては、ジョブズが元々持っていた体質や遺伝との組み合わせだと説明しています。

確かに、不摂生していても、病気にならない人っているよね・・・(汗)

他の人の考え

スティーブ・ジョブズの死については、なかなかマクドゥーガル医師のように、自分の意見や分析を、詳しく語る人はいません。

結局のところ、食事や治療法は、本人や家族の自由ですし、亡くなった人を捕まえて、治療法の評価をしても、あまり意味がないですからね。

しかし、ネットを見ていると、さまざまな意見がありました。

特に目立ったのは、「ジョブズのフルータリアン寄りのヴィーガン食が死因ではないか」とする意見です。

ジョブズは、ヴィーガン食の中でも、フルーツだけを食べるフルータリアン食を好んでいたことは、先ほどもお話ししました。

彼は、果物やフレッシュジュースを、毎日大量に摂っていたということです。

確かに、フルーツ中のフルクトース(果糖)は、食べ過ぎることで、がん細胞増殖の原因になると言われています。これが、とくに進行がはやく攻撃的な膵臓がんとは、相性が悪かったのではないか、という意見です。

また、ジョブズが食べていた、マクロビオティック食が原因だという、うわさもあります。

これは、ジョブズの伝記の著者であるウォルター・アイザックソン氏が、 CBS系のテレビ番組『60 Minutes』に出演したときの、コメントがきっかけで、広がったと思われます(CBS公式Youtubeチャンネルの動画)。

アイザックソン氏は、インタビューのなかで、ジョブズが「マクロビオティックのさまざまな療法を試した」と、コメントをしています。

しかし、私が、番組を見た、個人的な印象としては、アイザックソン氏は、マクロビオティックにはさほど詳しくはないと思われ、たまたま出てきた、代替療法関連の単語が、マクロビオティック、だった可能性も十分あると思います。

また、彼が「ジャンクフードヴィーガンだったのでは?」という、うわさもあります。ジャンクフードヴィーガンとは、例えば炭酸飲料とポテトチップスばかりを、食べるような人のことです。どちらも、肉は含んでいませんので、一応ヴィーガン食品になります。

しかし、先にあげたビジネスインサイダーの記事に含まれていた、ベジタリアン関連の本を2冊を見ても、彼がヴィーガンの加工品を好んで食べるタイプだったとは、考えづらいと思います。

さらに、「ジョブズの熱中し過ぎる性格が、寿命を縮めた原因だ」と確信している人もいるようです。

彼は、極限まで自分を追いつめて仕事をするタイプだったらしく、「がんにならなければ、過労死で死んでいただろう」と、思っている人もいるようです。

とはいえ、真相は、彼と彼の家族にしか分かりません。

代替療法への逆風

膵臓がんの、ホーリスティック(代替)治療における、権威であった、ニコラス・ゴンザレス医師(Dr. Nicholas Gonzalez)(2015年没)の話を聞いたことがあります。

彼のプログラムでは、膵臓がん発症から30年も健康に生きている患者さんもいるといい、このフィールドではとても有名な先生でした。

彼によれば、著名人やセレブリティの治療はとても大変だと言います。

彼のところに、有名人が相談に来ることはよくあっても、結局は家族、所属事務所、そして世間のプレッシャーに負けて、代替療法を試すことさえ叶わなかった人たちが、たくさんいたと言います。

そして、膵臓がん患者が手術や放射線治療など「普通」の手当てを受けて亡くなったら、主治医は最善を尽くしたと称えられます。

しかし、代替治療の場合、例え「余命」以上に、生き延びたとしても、「普通の治療をしていたら、もっと長く生きられた」「手術をしなかったから死んだんだ」と、本人の死から、何十年たっても、嫌がらせのコメントが送られ続けることもあったそうです。

こういう状況を考慮すると、スティーブ・ジョブズ氏が、9ヶ月間もの間、手術をしなかったというのは、すごい話だということが分かります。

彼は、本当に自分の信念を貫く、意志の強い人だったんだなと、思わずにはいられません。

まとめ

いかがだったでしょうか。

スティーブ・ジョブズ氏の、最期についてお話ししました。

アメリカのベジタリアン・ビーガンコミュニティーでも、色々なうわさがあるんですよね。

真相がどうだったにせよ、彼の死はいまだに悔やまれます。

Appleユーザーとしては、彼の功績に感謝しかないです。

参照