スーパーなどで、誰でも手軽に買えるゼラチン。一般的には「ゼリーを作る時に使うもの」というイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
アメリカでは、アミノ酸を豊富に含むゼラチンは、アンチエイジングや関節の健康にも良いとして、2010年ぐらいからでしょうか、健康食品としても脚光を浴びています。
しかし、ベジタリアンになろうと思っている人や、ベジタリアンのお客さんをもてなす時などには、「ゼラチンって、ベジタリアンOKなの?」という疑問がわいてきますよね。
そこで今日は、ゼラチンについてお話ししたいと思います。
ゼラチンの代用品も紹介しますので、最後まで読んでいただけるとうれしいです。
Contents
ゼラチンはベジタリアンなの?
結論から言いますと、ゼラチンはベジタリアンではありません。
ですので、肉を食べないベジタリアンや、乳製品や卵など、動物性食品はすべて避けるヴィーガン(完全菜食主義)の人は、食べない食品になります。
ゼラチンの原料と製造方法
ゼラチンは、主に牛や豚の皮、骨、腱(けん)などを、長時間水で煮ることによって作られます。
実は、ゼラチンは、原料、作り方ともに、コラーゲンとほぼ同じです。
コラーゲンをさらに煮詰めて加工したものがゼラチンになります。
ゼラチンを含む食品
ゼラチンには、ゲル化する特徴があり、食品に弾力を持たせたり、粘り気を出したりすることが出来ます。このため、さまざまな加工食品に使用されています。
もちろん、家庭でデザートを作る時に使う、板ゼラチンや粉ゼラチンは100%ゼラチンですが、そのほかにも、以下のような食品には、ゼラチンが使われている可能性があります。
- ゼリー
- プリン
- ムース
- マシュマロ
- グミ
- チーズケーキ
- クリームチーズ
- ヨーグルト
- ワイン
- ビール
- ローストピーナッツ
- サラダドレッシング
- しゃぶしゃぶ・焼肉のタレ
- サプリメントや薬のジェルカプセル
- サプリメントや薬のハードカプセル
- サプリメントや薬のコーティング
- コンビニのお弁当コーナーのスープ類
などです。
ワインやビール自体はベジタリアンですが、沈殿物を取り除くために、ゼラチンが添加されることがあります。
ローストしたナッツ類には、塩やスパイスをくっつけるために、ゼラチンが使われることがあります。
また、コンビニのお弁当コーナーのスープが、電子レンジで温めるまでゼリーっぽい見た目をしていることに気づいたことがあるかもしれません。
あれは、ゼラチンによる凝固作用を使っているからです。
アメリカのスーパーに売ってるビールやワインには、動物性由来のものを一切使ってないという意味で、「ヴィーガン」ってシールが貼ってある商品もあるよね。
ゼラチンの避け方
ゼラチンが含まれている可能性がある食品が分かったところで、どうやったらゼラチンを避けることが出来るのかを見ていきましょう。
原材料表示を読む
まずは、原材料表示を読んでみましょう。
ただ、ゼラチンは、食材ではなく添加物として扱われますので、原材料表示を見ても、「ゼラチン」の文字が見つからないことはよくあります。
ゼラチンは、増粘多糖類(食品にトロミや粘りをつけるもの)の一種ですので、「増粘多糖類(ゼラチン)」との表示を見つけられる時もあります。
しかし、ほとんどの場合、加工食品に使用される増粘多糖類は1種類ではありません。そして、複数の増粘多糖類が使用されている商品の場合、原材料の表示は「増粘多糖類」のみになってしまうんです。
残念ながら、具体的にどの増粘多糖類が使われたかは、表記されません。
アレルギー表示をチェック
ゼラチンは、アレルギー表示が義務化されている「特定原材料(7品目)」ではありませんので、必ずしも、アレルゲンとしての表記があるとは限りません。
しかし、実はゼラチンは、「特定原材料に準ずるもの」という、推奨表示20品目の1つに選ばれています。
ですので、パッケージに表示が見つけられなくても、メーカーのウェブサイトの商品ページに行けば、ゼラチンの有無が分かるかもしれません。
また、アレルギーの推奨表示品目に選ばれていることから、どうしてもゼラチンが含まれているかどうかを知りたい場合には、メーカーに直接問い合わせると、教えてくれる可能性が高いです。
食物アレルギーはとても深刻な問題ですので、ちゃんとした会社であれば、表示が推奨されている20品目の食品が含まれているかどうかは、把握しているはずです。
ゼラチンって、こんなにも有名なアレルゲンなんだね。全然知らなかった(汗)
サプリメントや薬の場合
サプリメントや薬には、ゼラチンが使用されているかどうかが、ちゃんと書いてあります。パッケージや、使用説明書を読んでみてください。
薬であれば、添加物の欄、サプリメントであれば、原材料名の欄に表記があるはずです。
ちなみに、海外輸入のサプリメントを使う場合、特にアメリカの製品の場合には、カプセルがベジタリアンかどうかは、とても分かりやすく書いてあります。
ゼラチンの代用品
家庭でも、お菓子作りやお料理に、ゼラチンを使う人は多いのではないかと思います。
「ゼラチンが使えないと大変!」と思っている人もいるかもしれませんが、安心してください。植物性の食品で代用することが出来ます。
お菓子作り
お菓子作りには、寒天、アガー、ペクチンを使うことが出来ます。ゼリーを作る場合には、アガーの方が、寒天よりも、よりゼリーに近い食感に仕上がります。
また、ジャム作りで使う「ペクチン」でもゼリーは作れます。しかし、上手くゲル化させるためには、カルシウムなどのミネラルを投入しなければいけませんので、寒天とアガーの方が使い勝手はいいかもしれません。
また、ムースなどを「もったり」とさせるためには、チアシードの粉末やホールシリアムハスク(オオバコの種皮)など、繊維質を豊富に含む、スーパーフードやサプリメントを使用することもできます。
トロミづけ
料理やスープのトロミづけにゼラチンを使うこともあると思います。
その場合、寒天やアガーのほかに、片栗粉やコーンスターチ、タピオカスターチなどの野菜のでんぷん質や、料理の種類によっては、小麦粉などでも代用できます。
まとめ
いかがだったでしょうか。ゼラチンは、牛や豚が原料であるため、ヴィーガン(完全菜食主義)の人は口にしませんし、ベジタリアンの人も基本的には食べない食品です。
加工食品には、必ずしも「ゼラチン」の表記がないのが残念なところですが、薬やサプリメントにはちゃんと表示がされています。
ですので、ゼリーやお菓子類は手作りするなどして工夫すれば、ゼラチンを避けることも、そこまで難しくはないのではないでしょうか。
今回のブログが参考になればうれしいです!