こんにちは、Satoriです。
世間では「パンは体に悪い」「グルテンは肌に悪い」など、小麦粉に関するあらゆる噂が飛び交っていますよね。
でも、「小麦」という穀物の粉が、どうしてそんなに嫌われるのでしょうか?
菓子パンならまだしも、食パンやパスタまで悪者扱いされる理由は、一体何なのでしょうか?
今日は、2010年ごろから小麦を避け始めた私が、小麦粉が体に悪いと言われる理由を、出来るだけ分かりやすく解説したいと思います。
Contents
小麦粉とは
まず最初に、簡単に小麦についてお話しします。
小麦は元々、以下の3つの要素から成り立っています。
- 果皮(外側の皮の部分・表皮)
- 胚芽(芽になる部分)
- 胚乳(内側の白い部分)
一般的な白い小麦粉は、胚乳の部分だけを挽いて作られます。
3つの要素全てを一緒に挽いて作られるのが、全粒粉です。
小麦粉が体に悪い6つの理由
それではさっそく、小麦粉が体に悪いとされる理由を、具体的に見ていきましょう。
アレルギーの人が多い
まず、小麦は、アレルゲン表示が義務付けられている「特定原材料7品目」の1つに選ばれています。
消費者庁によれば、表示義務の理由次のようになっています。
特に発症数、重篤度(じゅうとくど)から勘案して表示する必要性が高い。
消費者庁:「食品表示について」より引用
小麦アレルギーは、自然に完治する人が多い一方、症状が軽くアレルギーだと気付かずに食べ続けて、症状を悪化させてしまう人もいます。
小麦を食べた後に、頭痛、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、腹痛などの症状が出る人は、小麦との相性が悪い可能性があります。
グルテン過敏症の人が増えている
グルテンとは、小麦に含まれるたんぱく質のことですが、これに免疫系統が反応してしまうことを、「グルテン不耐」といいます。
そして、グルテン不耐の中でも一番深刻なのが、「セリアック病」といわれる自己免疫疾患です。
セリアック病の人がグルテンを食べると、免疫系統が、自らの小腸を攻撃してしまいます。
つまり、セリアック病になると「グルテンフリー」の生活を余儀なくされるということです。
また、これとは別に、Non-Celiac Gluten Sensitivity(セリアック病以外のグルテン過敏症)と診断される人もいます。
セリアック病支援団体ビヨンドセリアック(BEYOND CELIAC)の予測によると、アメリカ人3億2700万人のうち、約1800万人がグルテン過敏症ではないかと言われています。
そしてこの数値は、セリアック病患者の、約6倍だということです。
グルテン過敏症の症状は、セリアック病や小麦アレルギーとも似ているため、判断が難しいと言われています。
以下のような症状がある場合には、体がグルテンに過敏に反応している場合があります。
- ガス・腹痛
- 吐き気
- 頭痛
- 下痢・便秘
- 関節痛
- 手足のしびれ
- 気力が出ない
- 思考がハッキリしない
- 疲れやすい
もちろん、過敏症もアレルギーと同じで、放置しておくと症状が悪化する可能性があります。
また、太ったり肌が荒れたりという、二次的な症状が出てくることもありますので、注意が必要です。
栄養価が低い
一般的な小麦粉は、小麦の栄養のある部分(表皮と胚芽)を取り除いて作られますので、栄養価が極めて低い食品になります。
簡単に言ってしまえば「栄養価の低い糖質のカタマリ」ですので、健康にもよくないですし、食べる量が増えれば増えるほど、太る原因になります。
全粒粉を選べば、多少栄養価は高くなりますが、栄養価の割にカロリーが高いことには変わりありません。
添加物が入っていることがある
小麦粉はあくまでも「加工食品」ですので、添加物が入っていることもあります。
精製作業で使われる、臭素酸カリウム(グルテン強化)や過酸化ベンゾイル(漂白剤)などの発がん性が疑われる添加物が、小麦粉やパンに残留する場合があります。
また、海外から輸入される小麦粉には、輸送中の防虫・防カビのため、収穫後に農薬が混ぜられる場合もあります。
血糖値を上げる
白い一般的な小麦粉は、表皮や胚芽がそぎ落とされ、糖質がむき出しになっている食品です。
このため、体に入ると、血糖値を急激に上げやすく、食べ過ぎによるインスリン抵抗性などの問題が、心配されています。
私たちの体は、食後の血糖値を下げるために、すい臓からインスリンというホルモンを分泌しますが、インスリン抵抗性とは、この機能が麻痺してしまうことです。
最悪の場合には、二型糖尿病を発症します。
消化不良になりやすい
小麦粉は糖質のカタマリですので、腸内で悪玉菌の餌になります。
腸内フローラのバランスが崩れてしまうと、慢性の消化不良になることがあり、肌荒れなどの症状も出てきます。
また、小麦粉は大量に食べると、腸内で接着剤の塊のようになり、消化スピードを落とし、便秘の原因にもなります。
小麦粉の一番大きな問題
ここまで読んで、「自分はアレルギーもないし、小麦粉を食べても問題ないのでは?」と思った人もいるのではないでしょうか。
実際に私も、アレルギーもありませんし、グルテン過敏症の検査もしたことがありますが、反応は出ませんでした。
しかし、小麦粉は、出来るだけ避けるようにしています。
なぜなら、小麦粉の一番の問題は、「現代人は小麦粉を食べ過ぎている」ということだからです。
小麦粉には栄養価がほとんどない上に、血糖値を上げたり、腸内環境を乱したりと、長期的に食べ過ぎると、体に悪いとしか思えない問題がたくさんあります。
考えてみてください。
朝食にパンを食べて、ランチにパスタを食べて、おやつにクッキーを食べる。
こんな生活をしていませんか?
小麦粉はそのほとんどが糖質であるため、カロリーも高いです。
1日の摂取カロリーは、出来るだけ栄養価の高い食品から摂ることが理想的です。
しかし、小麦粉のような栄養価の低い食品ばかりからカロリーを摂取していると、必然的に野菜や果物の摂取量が減り、どんどん不健康になっていくと言っても過言ではありません。
そして、小麦粉を食べ過ぎる生活を続けていれば、体が疲弊してしまって、いずれは、生活習慣病予備軍になってしまっても、仕方がないということです。
小麦粉と関連があるとされる病気や体のコンディション
小麦粉の摂取と関係があるとされる病気や体のコンディションには、以下のようなものがあります。
- 太る
- 肥満
- ニキビ
- 心血管疾患
- 高血圧
- 二型糖尿病
- メタボリックシンドローム
- うつ
- ガン
- 認知機能障害
小麦だけでこれらの病気になるということではないですが、小麦過多の食生活は、大なれ小なれ、生活習慣病の原因になることは、確かなようです。
小麦粉の代用品
小麦アレルギーやグルテン不耐の人も多いですので、小麦の代用品は、探すと意外とたくさんあります。
例えば、ココナッツ粉、アーモンド粉、ひよこ豆粉、プランテン粉、キヌア粉、そば粉、アマランサス粉などが、アメリカのグルテンフリー食にはよく使われます。
パンや焼き菓子は、グルテンの膨張力を利用して膨らませますので、少し工夫が必要ですが、その他の料理には、これらの小麦代用品で、十分対応できます。
スーパーでは見つかりずらいものもあるかと思いますが、ネットにはたくさん売っています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
小麦には、様々な問題がありますが、一番はやはり、現代人が小麦粉を食べ過ぎているということです。
何ごともやり過ぎはよくないと言いますし、まずは小麦を食べる量を減らして、偏りのない食事を心がけることが健康への近道だと思います。
小麦を食べる時は、出来るだけオーガニックの全粒粉使用のものを、選ぶようにしましょう。
そして、完全に小麦を断ちたい人は、小麦の代用品も試してみてくださいね!
参照
- Celiac Disease Foundation:「What is Celiac Disease?」
- BEYOND CELIAC:「NON-CELIAC GLUTEN SENSITIVITY」