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アメリカで大注目されている「機能性医学」って何?シンプルに説明します

機能性医学

アメリカで「次世代の医療」として注目されている、機能性医学。英語では、ファンクショナルメディスン(Functional Medicine)と呼ばれ、著名人やセレブの間でも、カウンセリングを受ける人が増えています。

しかし、機能性医学とは一体どういった医療なのでしょうか? 既存の医療や、代替医療・ホリスティック医療との違いはあるのでしょうか?

そこで今日は、実際に機能性医学の先生のカウンセリングを受けている私が、分かりやすく説明していきたいと思います。

Contents

機能性医学とは

機能性医学とは「病気の発症原因を追究し、原因から改善していこう」という医学・医療のことです。

機能性医学の大きなポイントは次の2つです。

発症原因を追究する医学である

生活習慣病や、ぜんそく、冷え性、アトピーなどの慢性病でも、必ず何らかの原因があるはずですよね? 例えば、食事、運動不足、体質、アレルギー、睡眠不足、疲労、ストレス、DNAなど。

しかし、既存の医療(西洋医学)では、「病気と病気の症状を取り除くこと」に焦点が当てられています。このため、手術や、症状を緩和する薬の処方で、治療は終了します。

しかし、これでは病気になった、そもそもの原因は分からないままですよね? そして、原因が未解決のままだと、病気の再発は防げませんし、慢性病の場合、完治の確率はないに等しくなります。

この、既存の医療と「本当の健康」とのギャップを埋めるのが、発症原因を追究する機能性医学です。

体を個々の臓器の集合体として考えるのではなく、1つのシステムとして見る医学である

既存の医療では、それぞれの臓器に専門家が存在し、症状が出る箇所によって、別々の専門家が別々の治療を施すシステムになっています。

しかし、実際には、人間の体は、1つのシステム(かたまり・統合体)として活動しています。「悪くなった臓器だけ治療すれば、他は問題はない」ということでははく、もう少し全体的な見方をするのが、機能性医療です。

また、治療方法を、病気の名前や症状だけで決定するのではなく、患者個人個人のユニークな健康状態を分析したうえで、治療のアプローチを決めていく医療でもあります。

代替医療との違い

代替医療(だいたいいりょう)は、英語ではオルタナティブメディスン(alternative medicine)と言います。

オルタナティブとは「代わりの」という意味ですので、 「通常の医療の代わりに用いられる医療」という意味になります。

漢方、鍼治療、アーユルヴェーダ、瞑想、サプリメント、ホメオパシーから民間療法まで、一般のアメリカの病院で受けられない治療は、ほぼすべてこのカテゴリーに入ります。

ほとんどの場合、保険が効かない治療になります。

ホリスティック医療との違い

ホリスティック(holistic)とは、英語で全体的な、という意味です。 ですので、ホリスティック医療は、人間の、体、心、気、霊性(スピリチュアリティ)などを1つの統合体として見て、治療をする医療ということになります。

こう説明すると難しいですが、つまりは、病気になった特定の臓器だけを見るのではなく、その人の身体的・精神的健康の全てを見て、治療の判断を下していく医療です。

アメリカでは、ホリステック医師と言えば、西洋医学の学位にプラスして、漢方や鍼治療などの、中医学の知識を持ったドクターが一番多いのではないでしょうか。

「ファンクショナルメディスン」という言葉は、1991年に、 生物化学博士のジェフリー・ブランド氏によって誕生したとされています。

しかし、私の感覚では、この言葉が一般的になってきたのは、2010年以降ぐらいからです。

実際に、今「機能性医学医師」(ファンクショナルメディスンドクター)として活動している医師の多くは、少し前までは「ホリスティック医師」と名乗っていました。

また、結局のところ、機能性医学のアプローチは、ホリスティック(全体的・全人的)なアプローチであるため、「ホリスティック医師」との肩書を併用する人もいます。

「ホリスティック」と言った方が理解されやすいことも多いですが、逆に「怪しそう」と毛嫌いする人も存在するため、難しいところです。

ビル・クリントンの機能性医学治療

元米国大統領のビル・クリントン氏は、2004年から体調を崩し、何度も手術を繰り返していました。そして、

2010年に冠状動脈の手術をしたあと、ヴィーガン(完全菜食者)になったことで、脚光を浴びました。

これは、彼のカウンセラーである、2人の機能性医療のスペシャリスト、ディーン・オーニッシュ医師(Dr. Dean Ornish)、とコールドウェル・エッセルスティン医師(Dr. Caldwell Esselstyn)のアドバイスで、クリントン氏が決断した、食習慣の改革でした。

ここでのポイントは、ビル・クリントン氏は、ヴィーガン食で病気を治そうとしたわけではない、ということです。

手術を受けたうえで、術後の回復、病気の再発防止、また病気を寄せ付けない体づくりをするために、菜食を選んだということです。

つまり、彼の主治医と、カウンセラーの2人のチームワークの上、実現した変化ということになります。

アメリカで注目度が高い理由

アメリカで、特に機能性医療への注目度が高い理由は、とてもシンプルです。

アメリカは、医療費が高いからです!

入院や、長期治療を必要とする病気になれば、自己破産する人も少なくありません。このため、「病気の予防をする医学」「病気の再発を防ぐ医学」「慢性病を改善する医学」には、興味がある人が、とても多いのです。

また、このような知識は、インターネットでは確かな情報が得られませんので、「知識のある医者やスペシャリストに直接相談したい」というニーズは、高まるばかりです。

実は、ファンクショナルメディスンドクターとのカウンセリングは、保険が効かないことがほとんどです。そして、診察料もけして安くはありません。

しかし、「将来の医療費を節約している」と考えれば、必要経費だと考える人も多いのでしょう。

Facebookを見ていると、「手術のための募金お願いします」「〇〇の治療をしたいので助けてください!」という、クラウドファンディングのリンクが、知り合いから流れてくることがあります。

本人が低所得者でもなければ、聞いたこともない難病というわけでもないんですけどね。ただただ、アメリカの医療費は、とことん高いんです・・・。

まとめ

いかがだったでしょうか。

機能性医学とは、人間の体全体を1つと考えて、病気や症状の発症原因を追究する医療、ということです。

既存の医療と併用することで、より健康的に長生きできる体を手に入れられそうですよね。

「次世代の医療」のこれからの発展が、楽しみです。